パイプや排水からの水漏れが起きたら

水漏れの原因は？

パイプ・排水の水漏れ、その要因は「汚れ」と「老朽化」

お風呂場で起こる水漏れトラブルでは、次のような箇所が多く報告されている。

給水管や排水管などの水漏れトラブルの原因としては、「老朽化による腐食」や「つまり（汚れ）」「継ぎ目の緩み」などが挙げられる。生活排水（食用油）、気温の急激な変化、自身などによる振動などがパイプの老朽化や破損につながる要因だといわれ、壁や床下にめぐらされているために水漏れ箇所によっては、大掛かりな工事が必要な場合も。特にマンション等の集合住宅でパイプによる水漏れが起こった場合、被害が広範囲に及んでしまうことも少なくはない。排水パイプでは、髪の毛などによるつまりで水がスムーズに流れなくなり、継ぎ目からの水漏れや逆流を起こすケースもある。

自分でできる水漏れの修理方法を伝授！

パイプ・排水からの水漏れをみつけたらプロへ連絡を！

水道の配管は、床下や壁の中をめぐっているため、普段はシンク下の排水パイプ位かもしれない。目に見えるパイプからの水漏れの場合、接続部や継ぎ目の緩みが原因のケースが多く、その場合は接続部のナットを締める、パッキンを交換するといった方法で解決することも。壁や床からの水漏れが見つかった場合は、まず給水と排水、どちらのパイプから水漏れしている可能性が強いか確認してみよう。確認の仕方は、家のどこでも水を使っていない状態で水道メーターが回っていれば給水、回っていなければ排水のトラブルと考えられる。そうしてから速やかにプロに修理をお願いしよう！

水漏れを自分で修する理場合は、以下の工具が必要になるぞ。

• ●スライドレンチ、もしくはプライヤ
• 用途：ナットを緩めたりするのに使用
• 購入先：ホームセンター、家電量販店、ネット通販など
• 金額：約4,000～5,000円

• ●精密ドライバー
• 用途：ハンドルの種類によって必要
• 購入先：ホームセンター、家電量販店、金物屋、ネット通販など
• 金額：約150～1,800円

• ●ピンセット
• 用途：内部の細かい部品を取り出す時に便利
• 購入先：ホームセンター、100円ショップ、ネット通販など
• 金額：約100～1,100円

• ●水栓レンチ
• 用途：蛇口そのものを外す時に利用
• 購入先：ホームセンター、100円ショップ、ネット通販など
• 金額：約1,000～1,500円

• ●プラスドライバー、六角レンチ
• 用途：ビスを外す際にサイズに合わせて使用
• 購入先：ホームセンター、100円ショップ、コンビニエンスストア、ネット通販など
• 金額：約100～2,600円

排水管と給水管の違いとは？

家庭で使用されている給水管は大きく分けて2種類ある。ひとつは水を外部へ逃がす「排水管」、もうひとつが使う水が通る「給水管」。それぞれどんな違いがあるのか紹介しよう。

排水管

排水管は建物に溜まった水や実際使用した水を外部へ排出するための管で、お風呂・トイレ・キッチンなどで利用した後の汚水を流す役割がある。配管の中には常に水が入っている状態ではなく、トイレやお風呂を使ったりキッチンで洗い物をしたりする時にだけ水が流れるのが特徴。配管の中は圧力がかかっていないため、上から下へ水が流れるように傾けて設置されている。時に、異物が引っかかったり汚れが溜まると「つまり」が発生したりするので、注意が必要だ。

給水管

給水管とは家庭の水道を使う蛇口に接続されている配管のこと。いわゆる水道管を指す。給水管は使用前のキレイな水が通っていて、水を勢いよく出すため常に高圧状態になっているのが特徴だ。以前までは金属製のパイプが主流だったが、最近は環境への配慮や耐久性を重視しているため、家庭内では樹脂製の配水管が使用されるようになっている。つまることはほとんないが、破裂や破損などで大量に水が漏れることがあるぞ。

排水管・給水管の予防・対策法

排水管と給水管は水漏れしてしまうと、大惨事になりかねない。そのため、常日頃から予防や対策をするようにしよう。

排水管の予防・対策法

排水管は食材カスや脂分が溜まることで損傷する可能性が高いといわれている。また、比較的傾きがゆるいため排水の流れが遅くなりがちだ。そのせいでゼラチン質や油脂が管の中で冷えて固まったり、有機物が腐敗したりして膜状に付着すると、つまりの原因となる。予防と対策としては、キッチンを使用する際は野菜を切った後のクズやご飯の残りカス、油などは流さないようにすることだ。生ごみを処理するディスポーザーも排水管を詰まらせる原因となるので、メンテナンスは定期的に行うようにしよう。

また、排水管の水が溜まりやすくなっている「排水トラップ」は、水が腐ってしまうと悪臭の原因となってしまう。排水トラップは定期的に清掃するのがおすすめ。3ヵ月に1回が理想的な頻度だ。

給水管の予防・対策法

給水管のトラブルを起こさないためには、給水管に負担をかけないことが大切だ。内部のメンテナンスは難しいため、いかに劣化を抑えるかが重要になる。劣化を防ぐためには掃除を小まめに行ったり、積極的に換気をしたりすることを心がけよう。換気は気温による損傷を回避することができる。トイレも同じようにメンテナンスを定期的に行うことで、設備不良や部品の劣化に早く気づくことが可能だ。トイレの換気は水漏れを回避するだけではなく、便器の寿命も延ばせるぞ。給水管の水漏れは少量でも放置してしまうと、床が傷んだりカビが発生したりする。

最悪のケースだと、リフォームが必要になることも。どうしても水漏れを自分で直せない場合は、専門家に依頼しよう。

パイプの水漏れ箇所ごとの確認・修理方法

給水パイプからの水漏れ

パイプからの水漏れを直すには、細かい部分を特定することが大切だ。給水パイプか排水パイプかで修理方法が異なる場合がある。キッチンやトイレ、洗面台への蛇口につながっているのが給水パイプなので、水を使っていないときにも漏れているのが給水パイプだ。

まず外見が破損していないかチェックしてみよう。劣化がなければ給水パイプはきれいな水が流れているので、中に原因がある事例は少ない。パイプとパイプをつないでいる部分から漏れ出ているなら原因としてはナットの緩み、ナット部分にあるゴムパッキンの劣化が理由で発生していることが多い。

作業をする際にはまず、作業する場所の止水栓を閉じて水が流れないようにしよう。場所によっても異なるが止水栓はハンドルを回すかマイナスドライバーで締めることができる。パイプにつながっていることも多いぞ。

ナットが緩んでいるだけならレンチで締め直すだけで水漏れは改善されるぞ。一度止水栓を開けて症状が治っているかを確認してみよう。

緩めるだけでは改善がみられないなら、ナットの内部を外してゴムパッキンの交換をすると改善できる。もう一度止水栓を閉めてレンチにて回しナットを取り外す必要がある。ナットについているゴムパッキンと同じ製品を購入し交換すれば解決するはずだ。キッチンなど同じ場所の給水管であってもパッキンの種類は異なるため、部品をお店にもって確認しながら購入するのがおすすめだ。

間違えたくない方や購入できるお店が見つからない場合には業者に連絡をしよう。

排水パイプからの水漏れ

給水パイプではなく使った水を外に出すパイプからの水漏れも、基本的には給水パイプと同様である。チェックする際には給水パイプとは異なり蛇口から水を出したあとに漏れてくるのが確認できるはずだ。

外見から破損していないようであれば接続部から漏れているだろう。レンチで締めなおしても改善されなければ元栓と蛇口の水をとめ雑巾と入れ物を準備しておき、一旦取り外してゴムパッキンを交換が必要だ。一度外した状態で確認しながら同じものを購入するか、業者に依頼して部品を用意してもらう。

排水パイプから逆流する水漏れ

排水パイプの接続部ではなく、排水パイプへ水が流れずに排水溝から水が溢れているケースもあるだろう。

給水パイプと異なる特徴としてS字トラップの内部で詰まりが発生している可能性がある。特にキッチンや洗面台にS字トラップがついているので要注意だ。ラバーカップで詰まりを解消するか、分解し詰まりを解消しよう。

S字トラップには下にハンドルがついているタイプもあるぞ。下に水受けの入れ物を準備してから緩め、専用洗剤を上から流し込む、もしくは長いもので詰まりを取る方法がある。

しかし水を流すためのハンドルがついていないS字トラップは分解をして解消しなければいけない。しかしS字トラップを分解すると元に戻せなくなることもあるので注意が必要だ。同じ状況に戻せなければ水漏れが悪化する可能性が高い。無理をせず業者を選んで修理をしてもらおう。

パイプの破損による水漏れ

接続部以外から水漏れしている場合はパイプの破損が原因だ。外見を見た際にすぐに傷が分かる場合もあるだろう。パイプが破損する原因はさまざまだ。経年劣化以外には地震による衝撃、他には寒い地域だと凍結などでも破損する。

ちなみに地震による破損の場合には地震保険、凍結による破損は火災保険の特約などを使って修理できる場合がある。特に火災保険の特約は理由に関わらずパイプ破損全般が含まれていることもあるのですぐに自己修理するのではなく保険の条件を見直し、水道業者に連絡をして安全に対処してもらおう。ちなみにマンションで下の階への漏水被害は保証されないので早めに業者に依頼をして修理をしてもらうことが大切だ。

パイプ破損を発見した場合には業者の修理を依頼してほしいが、到着までに日数がかかる場合は補修テープで応急処置をする方法がある、テープにはいくつかの種類があるが防水性を重視して選ぼう。テープ同士がくっつく自己癒着テープ、ゴムで防水性の高いテープなどが排水管に使える。

排水管は圧力がないが給水管は圧力がかかっているため、テープだけでは解決できずに少しずつ水が溢れてくる場合もある。漏れているようならバケツや洗面器を置いて床がダメージを受けないように対応しよう。

床下からの水漏れ

戸建て住宅で家の床下から水漏れという事例は自分で修理するのは難しい。外で雨も降っていないのに住宅近くが濡れている場合、床にシミができているなどのケースでは床下のパイプが原因であることが考えられる。

普段と変わらない量しか使っていないのに水道メーターが大きく跳ね上がっている際にもチェックしてみてほしい。

外から床下をライトなどで照らしてチェックした際、上から水が垂れているなら住宅の配管から漏れているということだ。垂れている部分がない場合、家の基礎コンクリートに通っている配管も見てみよう。コンクリートと配管の間に隙間ができていると、雨が降ったときに流れ込んでくる。

床下で発生していそうなときは水道業者にチェックを依頼してほしい。もしも住宅が新築なのに水漏れが発覚したのであれば建築会社へ依頼をしよう。実は新築の工事ミスにてパイプの水漏れが発生するのは珍しいことでもないのだ。購入してから長年経っているなら劣化の可能性がある。どちらの場合にも、まずは水道業者にみてもらい原因を突き止めることが必要だ。